2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
春の宵 はるのよい 三春 時候 関連季語 春宵 (しゅんしょう) 宵の春 日暮れ間もない、ほの明るい時間帯。春の宵には、どことなく抒情的な気分が漂う。 漢詩でも、「春宵一刻値千金(わずかな時間にも千金の価値あり)」と称えられたほど 目つむれば若き我…
鳥雲に入る とりくもにいる 仲春 動物 関連季語 鳥雲に 鳥帰る 鳥引く 残る鴨 雁や鴨、白鳥、鶴などの渡り鳥は、秋に北方から渡来して越冬し、春に北へと帰っていく。それらの鳥が群れをなして高く飛んでいき、雲間に消えていくように見える様。 鳥たちの帰…
涅槃会 ねはんえ 初春 行事 関連季語 涅槃 涅槃像 涅槃図 寝釈迦 釈迦の入滅(死去)した日といわれる旧暦2月15日(涅槃)に、寺院で行われる法要。 各寺では、「涅槃図」を掲げて「涅槃像」を祀り、読経を行う。 現在は、新暦3月15日に頃に行われることが多…
椿 つばき 三春 植物 関連季語 白椿 紅椿 八重椿 乙女椿 藪椿 落椿 赤や白、ピンクなど、ぽってりした形の花をつける常緑樹。 春を代表する花のひとつで「古事記」や「日本書紀」にも登場するほど 古くから愛でられてきた。 日本古来の品種「藪椿」のほか、…
芹 せり 三春 植物 関連季語 根白草 根芹 田芹 芹摘む 春の七草のひとつ。 早春の頃に生じた香りのよい新芽を、お浸しや和え物、お吸い物などにして食べる。 田で摘む芹は「田芹」 別名「根白草」といい、根まで食べる地域も。 子に跳べて母には跳べぬ芹の水…
蓬 よもぎ 三春 植物 関連季語 餅草 蓬生 蓬摘む 艾 山野や川原などに自生する、キク科の多年草。 「餅草」と呼ばれ、香りのよい若菜を餅につきこめば草餅となる。 葉の裏側にある白い綿毛は、お灸に使われる「艾」となる。 ひざまづき蓬の中に摘みにけり 高…
摘草 つみくさ 三春 生活 関連季語 草摘む 春の野山に出て、食用となる若草を摘むこと。 摘むものは、菊の一種である嫁菜の若芽や、蓬・土筆・芹など、 香りの強い草が多い。 生のままで食べるほか、煮たり、薬味に用いたりして食べる。 万葉の時代から続く…
啓蟄 けいちつ 仲春 時候 関連季語 地虫穴を出づ 蟻穴を出づ 二十四節気のひとつで、新暦の3月5日頃。 「啓」には「開く、開放する」、「蟄」には「冬ごもりしている虫」という意味がある。春の陽気に誘われて、地中で冬眠していた虫や蛇、蛙などがはいだし…
曲水 きょくすい ごくすい 晩春 行事 関連季語 曲水の宴 盃流し 奈良時代から平安時代にかけて、宮廷や貴族の間で行われた年中行事のひとつ。 庭園の曲水(ゆるやかに曲がりくねった小川)に御神酒を注いだ盃を浮かべ 盃が自分の前を通り過ぎる前に詩歌を読…
蜆 しじみ 三春 動物 関連季語 真蜆 紫蜆 蜆船 蜆売 主に淡水に生息する、小粒の二枚貝。 蜆汁として食べるのが一般的。 旬は産卵を終えた春とされるが、水揚げは通年。 夏は「土用蜆」、冬は「寒蜆」としても珍重される。 蜆売りしばらく仰ぐ大手門 飯田龍…
蛤 はまぐり 三春 動物 浅い海の砂底に生息する二枚貝。 旬は冬から春先にかけて。 上品な味わいで、蛤の吸い物は雛祭の祝膳にも欠かせない。 殻の表面がなめらかで美しく、細工物にも利用される。 蛤を逃せば舌を出しにけり 高浜虚子 蛤って、高級食材。昔…
雛祭 ひなまつり 仲春 行事 関連季語 桃の節句 雛 ひいな 雛飾 雛職人 雛飾る 菱餅 白酒 3月3日に雛を飾って、女の子の健やかな成長を願う。 「桃の節句」とも。 元々は「上巳の節句」といわれる五節句のひとつ。 人の穢れを移した人形を海や川に流した厄払…
雛祭 ひなまつり 仲春 行事 関連季語 桃の節句 雛 ひいな 雛飾 雛職人 雛飾る 菱餅 白酒 3月3日に雛を飾って、女の子の健やかな成長を願う。 「桃の節句」とも。 元々は「上巳の節句」といわれる五節句のひとつ。 人の穢れを移した人形を海や川に流した厄払…
二月尽 にがつじん 初春 時候 関連季語 二月果つ 二月尽く 二月終わる 二月逝く 二月が終わること。”尽”はその月が終わるという意味。 寒さも緩み、いよいよ春本番を迎えるという期待がこもる。 雲の中鳴く鳥ありて二月尽 米沢吾亦紅 (よねざわわれもこう)…
雲雀 ひばり 三春 動物 関連季語 初雲雀(はつひばり) 揚雲雀(あげひばり) 春先に「ピーチュルピーチュル」と美しく囀り、「春告鳥」として 親しまれる。 囀りは雄の縄張り宣言。 囀りながら、天に向かい急上昇する様子を「揚雲雀」と呼ぶ。 揚雲雀空のま…
東風 こち 三春 天文 関連季語 朝東風 夕東風 強東風 寒さの残る早春に、東から吹く風。 冬型の西高東低の気圧配置がくずれ、太平洋から吹き付ける。 雪を溶かし梅の花を咲かせるが、時に時化を呼ぶ強風「強東風」となって、 漁師に恐れられた。 菅原道真が…
春雷 しゅんらい 三春 天文 関連季語 春の雷 初雷 虫出しの雷 立春を過ぎて鳴る雷の事。「雷」といえば夏の季語だが 気圧が不安定な春も雷が起こりやすい。 ただし、夏のように長く鳴り響くことはなく、ひとつふたつで鳴りやむことが多い。 立春後に初めて鳴…
獺魚を祭る かわうそ うおをまつる 初春 時候 関連季語 獺の祭り 獺祭 古代中国の七十二候のひとつで雨水の初候。 現在の七十二候では、「土 起」(雨が降ってつちが潤う)とされる期間。 獺は捕えた魚を岸に並べたあと、なかなか食べようとしない。 それが…
春の炉 はるのろ 三春 生活 春になっても片づけられない短炉やストーブ。 朝晩や雨の日はまだ寒い日もあるため、すぐには手放せない。 春炉守る磨き抜かれし太柱 堀之内和子 春炬燵といい、春の炉といい、なんとなく、ものぐさで片づけられない人に向けた 言…
春炬燵 はるごたつ 三春 生活 暦の上では春になっても、そのままおいてある炬燵。 しばらくは寒さがぶり返すことも多いので、なかなかしまえない。 朝夕も暖かくなり、炬燵をしまうのは「炬燵とる」 炬燵の無くなった部屋は、急に広々として寂しい感じがする…
末黒野 すぐろの 初春 地理 関連季語 焼野 末黒 早春の頃に野原や河川敷の枯れ草を焼く「野焼」 その焼け跡が黒く残る野を「末黒野」という。 野焼きで草の芽立ちが促され、害虫の駆除にもなる。 「末黒」の語源は、野焼きで先が黒く焼け残った芒のこととも…
いねふぐり 初春 植物 早春の道端や野原に生え、春の到来を告げる。 空色で小さく可憐な花をつけ、踏まれてもたくましく咲き続ける。 名前は正確にはオオイヌノフグリで、ヨーロッパ原産。 いぬふぐり星のまたたく如くなり 高浜虚子 どんな花だったかなって…
下萌 したもえ 初春 植物 関連季語 草燃え 草青む 畔青む 土手青む 早春、冬枯れの地面から、草の芽が萌えいずること。 またはその芽。 雪国では残雪の下から新芽をのぞかせる。 “下”は“枯れ草の下” の意味。 瑞々しさと生命力を感じさせる季語。 萌え出た草…
薄氷 うすらい うすごおり 初春 地理 関連季語 春の氷 春に入ってから寒さが戻り、すでに氷の解けた水辺に 薄く張った氷のこと。または、冬の分厚い氷が解け残って薄くなったこと。 いずれもすぐに消える、はかない印象を持つ。 薄氷の吹かれて端の重なれる …
猫の恋 ねこのこい 初春 動物 関連季語 恋猫 猫の妻 猫さかる 早春、猫が恋する季節 雄猫は雌を求めて、2月頃からそわそわし始める。 発情期に入ると、赤ちゃんの泣き声にも似た切ない鳴き声を上げて 昼夜問わず雌を探し回る。 また、雄同士で激しく争い合う…
風光る かぜひかる 三春 天文 関連季語 光る風 春になって日ざしが強くなり、空が明るくなる季節。 吹きわたる風も、きらきらと光り輝くように感じられる。 春めいてきたことへの喜びを表す季語。 産むために帰るふるさと風光る 鶴岡加苗 春になってきて、希…
余寒 よかん 初春 時候 立春が過ぎたあとの寒さ。 冬が残していった寒さという意味。 残り続ける寒さに、若干恨みがましい気持ちもこめられている。 対して、夏の暑さが残ることを「残暑」という。 鎌倉を驚かしたる余寒あり 高浜虚子 余寒、残暑の反対。 確…
春寒 はるさむ 初春 時候 関連季語 料峭(りょうしょう) 立春が過ぎても続く寒さの事。 すでに春になった気持ちが強く、寒さをあえて「春寒」と呼ぶことで 寒さが冬の名残であることを示し、春の到来に思いを寄せる。 「料峭」とは、春風(東風)が冷たく感…
冴返る さえかえる 初春 時候 関連季語 寒戻る 冬の季語「冴ゆ」は、鋭く刺すような寒さを指す。 「冴替る」は、立春のあとにゆるんだ寒さが、もう一度ぶり返すこと。 一度暖かさを経験したあとなので、より痛烈に寒さを感じる。 一方で、寒い日と暖かい日の…
バレンタインデー 初春 行事 2月14日。ローマの聖バレンタインが殉職した日。 ”愛の日”とされ、恋人同士が贈り物を交わす風習がある。 日本では、女性が男性にチョコレートを贈ることが多い。 いつ渡そバレンタインのチョコレート 田畑美穂女 (みほじょ) …